気とは
「気」は体を動かすためのエネルギー源
東洋医学において「気」とは、体を動かすための根本的なエネルギーのことをいいます。
人間の体は、自分の意識とは関係なく呼吸や消化吸収、血液循環を行なっています。
このような生命活動を推し動かしてくれているのが「気」なのです。
「気」がないとそもそも人の体は動きません。
また、「やる気」や「元気」などの言葉に使われるように、
気力や体力など活動するためのエネルギーを指したりもします。
「先天の気」と「後天の気」の2種類がある
「気」は、ひとが生まれながらにもっているものと、生まれた後に培っていくものの、大きく2種類に分けられます。
- 「先天の気」
両親から与えられ、生まれながらに持っている「気」を「先天の気」といいます。
先天の気は生まれたときが最も多く、年齢を重ねるにつれて減少します。
さらに、加齢だけでなく乱れた生活習慣やストレス、病気も減少の要因に。
- 「後天の気」
後天の気は生まれた後に獲得する「気」です。
食べ物や飲み物を摂取することで作られる「水穀(すいこく)の気」と、
呼吸によって取り込まれる空気から作られる「清気」の2つがあり、
2つの「気」が交わることで後天の気が生まれます。
加齢により先天の気がなくなるのを補うためにも、
自分の体質に合った適切な食事を摂り、後天の気を充分に取り入れることが重要です。
気の働き
①推動作用(すいどう):動かす
推動作用とは、ものを動かす働きのことです。[血]と[津液]を循環させるのはこの[気]の作用です。
血液循環、新陳代謝、栄養素を次の[臓]へ運ぶなど、様々な動きの作用です。
代謝が悪い、疲れやすいなど様々な症状に関連
②温煦作用(おんく):温める
温煦作用とは、身体を温める働きです。体温を正常に保ち、機能を活性化させます。
冷えと冷えに関連する症状
③防御作用:守る
防御作用とは、体の表面を守り、外からの体調不良の原因となる[外邪]から身を守る働きです。
風邪ひきやすい、よく鼻・喉のトラブルが起こる、皮膚のトラブル、熱が出やすい、すぐ寒気がする、など
④気化作用:変化させる
気化作用とは、ものを変化させる作用です。
飲食物から[血]や[津液]を生成したり、[津液]を汗や尿へ変化させたり、
[精]から[血]を生成したりする働きです。
汗が出にくい、むくみ、尿が出ない、など。
⑤固摂作用(こせつ):保つ、固める
固摂作用とは、体内の臓器や水分などの位置を正常に保つ働きです。
臓器の場合、正常な位置に固定し、下垂を防ぎます。血液の場合は、
血管から漏れずに血管内を正常に循環させます。
汗や尿が漏れずにあるべきところに溜まっているようにする働きです。
鼻血、汗が止まらない、頻尿、脱肛、など。