中医学的冬の過ごし方
中国の伝統医学である中医学では、寒い冬だからこそ、絶好の養生の期間だと取られています。
なぜなら、冬の本格の到来が告げる冬至から次の年の立春までの間は、自然界では陽気が潜み、陰気が極まって行き、
草木が萎れ、虫などの動物が活動休止にし、地下に潜り春の復活に備えて冬眠するのです。
同じく自然界に生きている人間は、他の動物のように冬眠することがありませんが、
やはり冬の間に鋭気を養い、力を蓄えて活動的な春に備えるべきと考えます。
それが自然に順応する摂理にかなうからです。
それについて中医学古典の『黄帝内経』にはこのように要約的に書いてあります。
「閉」は閉ざす、閉じ込めて出られないようにする、おおい隠す
「藏」はたくわえる、ためる
と広辞苑では解説しています。
つまり、「閉藏」とは内向きに蓄えることを指すことで、冬を正しく過ごすには外向きに激しい活動などを避け、内を秘めた力を養うことになります。
では、具体にどのようにして内を秘めた力を養うかについて、同じく『黄帝内経』の中で冬の睡眠の取り方、精神状態の保ち方、日常生活の仕方を3つ示してくれています。
①睡眠
原則的に早寝遅起きをすること。
冬は昼が短く夜が長いため、その昼夜のリズムに合わせていつもより長く睡眠を取ります。特に朝は必ず日が昇ってくるのを待って起きます。
②精神状態
闘志の心を抑えて内向きに平静な心構えで過ごすこと。つまり、むやみに精神的消耗せず活発に活動する春を待ちます。
③日常活動
寒さを避け、保温に努め、毛穴が開き汗をかくようなことをしないこと。特にこの時期に室外で激しい運動などされると、陰気の強い時期だけに、いつも以上より消耗が激しくなるため、後々の病気の原因になりかねないと考えています。
以上の三点は『黄帝内経』の中で強調され、今も受け継がれている中医学的冬の過ごし方です。それらを実践することにより健康維持や病気の未然防止に繋がる、すなわち命を養う(養生)ことにつながります。
養生とは
「養生」とは「生命を養う」ことを意味し、より健康な状態を目指して心身をいたわること。
世界三大医学である中医学や東洋医学で取り入れられている考え方で、今の健康をただ保つのではなく、
体を活性化して生命のエネルギーを高め、よりよく元気に過ごすための積極的なセルフケアです。
「養生」は特別なことではなく、どれも日常生活の中でできる小さな工夫です。
養生によって本来持っている自然治癒力が磨かれ、過不足や偏りのない、調和のとれた健やかな状態に整うのです。
冬の養生とは
四季のある日本では、春夏秋冬それぞれに適した養生があります。
冬は寒さから身を守るためにエネルギーを多く必要とします。
そのため、冬に夏と同じような生活をすると体に負担がかかり、エネルギーを過度に消耗して不調を招きやすくなるのです。
冬に適した養生で体をいたわり、活動的な春に向けて心身をよい状態に整えることが快適な毎日につながります。
冬は「冷え」からさまざまな不調を招きやすい
寒さの厳しい冬は「冷え」からくる不調に注意が必要です。
「冷え」は以下のような心身の不調を招きやすいとされています。
・血行不良
・リンパの流れの滞り
・むくみ
・便秘
・筋肉の凝りやこわばり
・気持ちの落ち込み
・自律神経の乱れ
・ホルモンバランスの乱れ
・生理痛や生理不順
・乾燥から来る肌トラブル
・消化不良
・腎臓機能の低下
冬の時期は体を温め、血流をよくすることを土台とした養生で体をいたわりましょう。
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